男性としての埋没を目指す某FTMの日記

GID(FTM)当事者である筆者が社会でひっそりと生きていけるまでの経過を残します。

ホルモン注射開始(1本目)

今日はついに念願かなって、ホルモン注射をスタートさせたのでそれについて書きます。

目次

スタートに至るまで

2022年9月、保険適用で胸オペを済ませてから約半年が経ちました。

大体の人は、保険適用で胸オペを完遂させるためにホルモン注射を始めることを「我慢」しているので、胸オペが終わればすぐにでも始めると思います。

なぜ自分は胸オペのみで満足し、ホルモン注射開始せずモタモタしていたのか、、、。理由はいくつかありますが、そのうちのひとつに親へのカミングアウトがまだできていなかったことがあります。というか、よく考えてみても理由はこれしかなかった。

 

親へのカミングアウトがずーーーーーっとできておらず、そのせいですべてを諦めていました。

諦めた、というとかなり他責ですが、カミングアウトする勇気がないまま、変化を恐れ、ある日突然地元を離れて上京し、未治療のまま男として生きるという奇妙な生活を送っています。

 

決して親と不仲なわけではなく、年に何回も会うし、一緒に旅行に行くこともあります。だからこそ、ホルモン注射なんて始めてしまったら絶対にバレる、カミングアウトせざるを得ない、ということでビビりな自分は躊躇していました。こんな歳(28歳)になるまで。

 

まあ、ただ、性別違和が消えるわけでもなく、なぜか女体のまま男として生活しているギャップも苦しく、希死念慮は年々強くなってきています。

そんなとき、決まってあるひとりの友人と精神的な話を心をむき出しにして話します。(いつもありがとう。)

その友人との相談を重ねるごとに、自分はいろいろ言い訳をしているけど結局ホルモン注射したいんだな、と気づくようになりました。今すぐに死んでもなんの後悔もないくらいいつでも死にたいと思っているので、それならやりたいことのひとつくらい叶えてから死んでもいいのでは?と思い始めたのです。

 

そうと決まれば、まずはいままで通っていたジェンダークリニックに電話して注射の予約。

そして上司に身体に変化が起きることを伝え、どこまでカミングアウトすべきか相談。 

最後に親に手紙でカミングアウト。

 

ここまで数日。

やると決まればこの行動力。

我ながら感心します。

 

カミングアウトの詳細はまた別で書くとして。

そんなこんなで、10年近く悩んでいたホルモン注射問題をあっさり?解決し、本日に至ります。

 

クリニック選び

常々TwitterFTMの先輩達の発信をチェックしているので、高校生や大学生といった自分より全然若い子達が「ホルモン注射○本目打ってきました〜!」と声の変化と共に投稿しているのを目にしています。

 

その中でどこどこのクリニックはいくら、とかそういった情報を発信している方も少なくなく、なんとなくホルモン注射するならここにしようかな、という目星はついていました。

 

自由が丘MCクリニック

 

全国のFTMが集まる場所といっても過言ではない、このクリニックで自分もホルモン注射をしたい!と思い、予約の問い合わせをすると(2月初旬)、

初診の方は、3月に5月分の予約を受け付けるとのこと。

待ち多すぎないか???と思いつつ、すぐにでも始めたかった自分は、一旦3月になったら速攻予約を取る決意をして、これまで通っていたあべメンタルクリニックへ電話をしました。

「土曜日でなるはやで打てる日ありますか?」

と問い合わせると

「再来週になっちゃうけど大丈夫?」

との回答。

ここに決めました。

ちょっと遠いけど、すでに通っていたという安心感はあります。のちのち転院することは簡単なので、一旦あべメンタルクリニックでホルモン注射をスタートさせることに決めました。

 

調べてみると、クリニックによって値段の違いや血液検査だったり、いろいろフォローが異なってくるのを知り、「ホルモン治療は自己判断」であるというのを思い知らされました。

 

なおさら、よくわからんクリニックじゃなくて知見のあるところで体調相談しながら進めたいと思いはじめ、ゆくゆくは絶対に自由が丘MCクリニックに行くぞという決意をしました。

 

1本目投与当日

いざ、あべメンタルクリニックへ。

土曜日なのでめっちゃ混んでて、明らかにFTMだな、MTFだな、という人も多く、自分もこういう風に見えてるのかな、とちょっとショックを受けつつ待ち合いで待ちます。

 

初注射なので、始めに先生との面談?がありましたが、先生はなかなかにお年を召しておられるので、カルテを見ながら「胸オペだいぶ先だね〜」とボケをかましてきます。もう半年前に終わってるんですけどね。

もう胸オペは終わっていることを伝えると「じゃあ今日は何しに来たの?」とニコニコしながら聞いてきます。すべて自己判断、自己負担の治療なので別に先生がボケててもいいんです、、、注射さえできれば、、、。ホルモン治療をはじめたい旨を伝えると

「じゃあエナルモンデポー125mgを2〜3週間おきにやりましょうね。」と言われ、そのまま処置室へ移動し、先生とのやり取りはそれで終わり。

 

これまじでTwitterとかで情報知らない人は不安すぎて恐ろしいレベルです、、、。

 

処置室では百戦錬磨のおばちゃん看護師さんが丁寧に薬の説明とお尻に注射することを伝えてくれました。

 

お尻に打つことは事前情報で知っていたのですが、実際自分が思っているより腰寄りのお尻でした。

 

注射自体、ほぼ痛みも感じず一瞬で終わりました。

 

次は2週間後に来ようと思います。

期待したい効果

1週間や2週間ですぐに変化が起きるとは思ってないけど、声は早く低くなってほしいな〜と思います。あと皮下脂肪なくなれ。

元々肥満傾向にあるので、これを機にダイエットとトレーニングをしようかなと思いつつ、男性ホルモン注射により体重は増える傾向があるようなので恐れています。

 

髭を含めた体毛の増加は正直いらないので、髭がたくさん生えてきたら脱毛行きたいな。

 

あと一番こわいのはニキビ。

今までの人生、思春期でもニキビに苦しんだことがなく顔面の肌がきれいなことが唯一ちょっと誇れることでした。

この歳になってひどいニキビ面になったらそれこそ生きていくのツライ。

 

身体の変化ももちろんのこと、それに伴って起きる人間関係の変化、どうなることやら不安と楽しみが混じりますが、なんとか生きていこうと思います。